4 Feb 2017

ようやく左回りで駒ケ岳へ



十年前の冬 東駒を背に立つ犬



あの時すでに計画から十年くらい経っていたと思われる
という事は 行こうかな、、、と思ってから二十年程も過ぎてしまったという事である



とにかく重い腰が上がった

腰をあげてくれたのは比較的若い衆らだった
そうはいっても その者らさえも 知り合ってから既に何年も経っていて
若い衆と思っていた中のそのひとりは 既にそれ程若くもなくなっていたんだが
まあ そんな事はどうでも良くて
とにかく その若い衆らが誘ってくれたおかげで
いよいよ左回りで駒ヶ岳へと登る事になった



昨年の紅葉は 何処も今一つぱっとせず といった感ではあったが
所々切り取ってみてみると やはり紅葉した葉っぱとうのは美しい事に変わりは無い

あの日 日向山へ向けて登り返すその辺りのカラマツは盛りを過ぎていたけれど
楓の葉っぱはまさに紅葉の盛りだった



日向山は兎に角よく目立つ
周りの高い山から見下ろすと 一目であそこが日向山だと同定する事が出来る
白い砂がまるで雪のように見えるので それを目印に探せば直ぐにこの山は見つかるだろう

むかし 良く一緒に釣をした友人とうちの犬とでここへ来た事があった
あの時は本当の雪があって 風も強かったのを良く覚えている

谷底を覗き込みながら あっちの峪がドコソコだから
春になったら釣が、、、とかそんな話したような気がするが あの人はもう釣を止してしまったので
もうそんな話をする事も無いんだなあ、、、と
それにあの時一緒だった犬も若くして逝ってしまった
そう云った意味では ここはなんとなく寂しく 悲ししおもひでの山なのである

ただ あの日ここから仰ぎ見た駒ヶ岳と
鈍く黒光りするその東駒を背に 悠然と立つ我家の甲斐犬 rio の写真
あれは沢山ある中でも特に好きな画の一枚だ
そう思うと あそこには良いおもひでもある とも云える



駒岩を過ぎた辺りの穏やかな野の道といった雰囲気に
すっかりのんびりとした気分にさせられる
まだまだ半分も来ていないというのに



日向山を越えてからというもの ほとんどずっと樹林帯の中を歩いている
おまけにあまり高度を稼いでいる気がしない



仰げば烏帽子がはるか遠くに見えた
高さもこことは比べ物にならない程だ

この辺りで 少し時間の観念がオカシイ事にちょっとだけ気づき始めるも
未だ陽は高く 一同にはまだまだ余裕の笑みがあった

しかし 目指す稜線はあの向こうなのである
はて 烏帽子をいったい何時に越えられるというのか ここではあえて口には出さなかったけど
この時点で日没確実と、、、



大岩山には本当に立派な梯子が掛けてあった

懸垂の装備が必要なくなったのはありがたいが
その引き換えに 少しだけ味気ないと感じたのも事実だった
でも この日はコレが設置してあってホントに良かったとも



烏帽子どころか 八丁尾根半ばで鋸の向こうへと陽が落ちていった

同時に 皆一様に口数が減っていく

そう 烏帽子はまだまだ遠いのだ



風の無い穏やかな夜だった

岩場に立つと その先へと続くはずの道は真っ暗でなにも見えなかった
というより道なんて何処にも無いんじゃないかと ほんの一瞬だけどそう思われた
でも烏帽子の岩場を一段降りてみると 月明りの元 今までよりも柔らかそうな土の道があった

星と月がホントに美しい夜で
ライトを消しても行くべき方向が見えるような気がした
でも 実際には何も見えはしなかったんだけどね



それにしてもホントにあの時は嬉しかった
やっとこっちの稜線へ辿り着けた といった そんな安堵のような思いだったような気がする
正直 永遠に辿り着かないような気がしていたからね

まあそもそも時間の観念が、、、、
この点はホントに気を付けなきゃいけないよね 真面目な話、、。





更に小一時間歩いて ようやく 歓喜の中石室へ到着

果たして 岩室は広くて 清潔で そして快適な場所だった

風に吹かれ翻弄される心配がないという
ただそれだけの事で なんと居心地の良かったことか





あくる日も
穏やかな朝だった

我々は正しく東を向いて そうやって朝日を待った
当に ”waiting for the sun” だ
細かい事を云えば 岩場じゃなくて野っぱらだ おまけに四人並んでこそ ではあるが
何れにしても若い衆らには分かんだろうけど、、、



きのうよりもうんと風が強くて寒い中を歩き始めた

雲が飛ばされ遠くまですっきりと見渡せるのがせめてもの救い



いつも見てるのと違う方向からの北岳は格別な雰囲気



遠くの山肌に戸台からの林道も見える

見方(見え方)が違うと色々と感じる事も違って
通い慣れた山ではあるが それがなんだかとても新鮮だった



予報通りの展開

雲は直ぐにやってくるんだよね
特にこのメンバーで山に入ると 雲はいつもよりも動きが早いのだ



更に付け加えると この子が居る時は最速に達する



雲が来ないうちにと急ぐ



そして晴れ間のあるうちに頂上に着く




あとは降るだけ

昨日(晩)の悶々とした長い歩きも ここまでくるればすっかり過去のものである
それが皆の表情に素直に現れている
それがなんともオカシくもあり嬉しくもある

一人山行の多いワタシには 瞬時にしてそんな他愛の無い事が沁みてくる
そしてそんな時 ふとパーティの楽しさ(良さ)を分かった気にさせられるのだが
一日すれば(下山してしまえば)そんな素直な気持ちも直ぐに何処かへ消えてゆく
そう ぷいっと忘れちゃうんだな
なんて言ったって一人ってのは全く自由だからね



最後まで持つかと思ったけど
結局のところ 後もう少しってところまで来た時に雲に捕まった
とはいえ ほとんど雨には降られなかったんだけどね



そうそう 七丈の小屋で
去年(もう一昨年になる)落としたポールの所在を確かめたかったんだけど
生憎小屋番は留守だった だからそれに関してはまた次回と言う事になってしまった



雨の中 駒ケ岳神社へと続く道に掛かる吊り橋を渡る時いつもの様に流れを覗き込んだ
そしたら やっぱり居たよね
大きなのが

なんなんだろうね 棹を持たない時に限ってとは言わないが
確率的には全くそんな感じなんだな
これってのは運が良いんだろうか それともとことんわりいのか?

2016/11/07-08  東駒で

4 comments:

  1. かっちょいいっすね。ぐぐったら、The Doors と出てまいりました。リアルタイムじゃないですが、、。駒ケ岳ですか、次の次の次くらいの目標にさせてくださいませ。

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    1. nishiyama さま
      閲覧頂きありがとうございます
      当の私も生まれてはいましたがリアルで体験していた訳ではありません
      中学へあがるまえに消滅していましたので

      駒ヶ岳は程よい高さと見た目の厳つさがあって
      眺めてよし登ってよしの山のようなきがします 機会があれば是非ご計画をたててみてください

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  2. お返事嬉しいです、ありがとうございます! 気分よくなり、スイっと行きたいですが、私には暖かくなってからの方が良さそうです。 狭間の世代でしたので、あのグループには、御神体の様な印象をもっております。

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    1. nishiyama さま
      コメント機能をあまりよく把握していませんで
      なんだか大幅にタイムラグのある表示になってしまいました
      今後ともよろしくお願いいたします

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